教育基本法改正案が特別委員会で可決

2006年11月16日 15時59分 | カテゴリー: トピックス, 子ども・子育て, 平和・人権

「国家のための教育」に変えないで

教育基本法改正案が野党欠席のまま衆院教育基本法特別委員会で可決してしまいました。

教育基本法は、教育の基本理念を憲法の中に規定することに代えて制定され、現行法の前文には、憲法に定められた民主主義・平和主義等の理念は、教育によって具体的に実現されると書かれています。しかし改正案ではこの部分が削除されてしまいました。

さらに、国家による教育内容への介入を抑制する歯止めである第10条は、「教育は不当な支配に服することなく、(主権者である)国民全体に対し直接に責任を負って行われる」と定めていますが、改正案では「国民全体に対し直接に責任を負って行う」という部分が削除され、「この法律及び他の法律に定めるところにより、教育行政は国と地方公共団体との役割分担と相互の協力で行わなければならない」としています。

改正案17条に定められた教育振興基本計画をつくり、管理するのは国の行政です。これにより、教育の中央主権が強まり、ますます管理強化が進むとともに「不当な支配に服することなく」行われるのは「国民のための教育」でなく「国の教育行政」ということになります。教育の自治が失われるだけでなく、その時々の国の為政者にとって都合のいい教育が行われるようになります。

今年9月、東京地裁において、教職員に日の丸・君が代を強制することは思想・良心の自由の侵害にあたると判断し、都教委の通達及び都教委による都立学校の各校長に対する一連の指導等は、教育基本法10条の「不当な支配」に該当し、違法と判断したのは記憶に新しいところです。改正でこのような歯止めを失うことに大きな危機感を持ちます。
第2条に盛り込まれた愛国心も、国が法で定めて国民に押し付けるようなものではないと思います。

今回の改正案が成立してしまうと教育が平和と民主主義の理念を実現するために直接国民に責任を負って行われる教育から「国家のための教育」に構造的に変わることになります。

教育基本法は憲法と同様、国家権力を縛るためのものです。 このような成り立ちから考えると、改正は憲法と同様に、もっと慎重さが必要ではないでしょうか。市民の力を集めて参議院での廃案を目指しましょう!