建設予定地の周辺は、町田市側が規制の少ない「準工業地域」で、ホームセンターなどの大型店が立ち並ぶ一方、丘を隔てた八王子市側は良好な住環境保護を定める「第一種住宅専用地域」で、南大沢団地・上柚木団地などの大規模団地や老人施設などもあります。しかも南大沢の住宅地の一部は予定地から100メートル以内にあり、約400メートルの距離には南大沢小学校があります。
今年10月、東京都が土地を業者に売却し、今後、「町田市住みよい街づくり条例」に基づく手続きや都市計画審議会での審議などを経て、来年4月の建設工事開始を目指す計画になっています。
しかし、廃プラスチック中間処理施設の建設計画について八王子市民は何も知らされず、1回目の説明会の日程すら通知されませんでした。近隣に住む多くの市民は周辺の環境悪化や健康被害などに大きな不安を感じています。また、町田市および周辺状況を知りながら土地を事業者に売却した東京都や住民を無視した町田市のやり方には問題があります。
行政と市民、そして専門家も交えた協議を時間をかけて行い、住民合意がなされない限りは建設をすすめるべきではありません。
ごみ問題は生活のあり方に直結した問題です。そしてプラスチックは私たちの生活のあらゆるところで便利な素材として利用されています。しかし、その処理には大きなリスクを伴うことを多くの人が認識し、ごみの総量を減らすことが大切です。不必要な包装容器を避け、繰り返し使えるリユース容器を推進するなど、廃プラスチックの発生抑制策を進めることが何より重要です。そうでなければ処理施設の問題も根本的に解決されません。そのためには、現在の「容器包装リサイクル法」を改正し、容器包装ごみの処理を製造者責任とすることが必要です。生活者ネットワークでは、自治体に働きかけると同時に、国に法改正を求める活動を今後も更にすすめていきます。
写真は建設予定地。丘を隔てた北側には南大沢の住宅地が広がる。