わたしたちの水辺調査
八王子市には多くの河川があります。その中でも北浅川はきれいな川と言われています。調査地である小田野中央公園横の水域では伏流水が流れ込み、豊かな水量に恵まれています。
今年も西南部環境市民会議のご協力により、参加者を4つの班に分け、安全で楽しい調査を実施しました。
パックテスト体験では、COD(水の中の有機物(生物から出る汚れ)の量)を測ってみました。パックテストは測定時間を厳密にする必要があるので「体験」としましたが、子どもだけでなく大人の参加者も興味津々でした。
参加者から「『水を汚すといけない』と漠然と理解しているが、その正確な理由は何ですか」という質問が出ました。「水中に大量の有機物(汚れ)があると、それがバクテリアなどの微生物によって分解されるときに大量の酸素が消費され、水が酸欠となり、魚が死ぬことがあるからです」と環境市民会議の方が答えて下さり、大いに納得しました。
透明度調査体験では、微量の牛乳を混ぜる前後で見え方が
どう変わるか体験しました。そして、家庭から流す油や牛
乳によっても川の汚染が広がることを実感しました。
それから、川に入り生き物調査をしました。
アシなどの植物の根元をガサガサして、そこに隠れている
小さな魚や昆虫を網で捕まえました。
川から上がり、班ごとに捕まえた生き物を図鑑で調べたり、環境市民会議の方から名前やちょっとした知識を聞いたりした後、観察できた生き物を各班から発表しました。
・ホトケドジョウ ・シマドジョウ ・ギバチ ・アブラハヤ ・ヨシノボリ・スジエビ
・ヌカエビ ・ヒラサナエ ・カワゲラ ・イトトンボ ・ムカシトンボ ・オグマサナエ
・ハグロトンボのヤゴ ・サナエトンボの一種のヤゴ ・コオニヤンマのヤゴ
・カワトンボのヤゴ ・カワニナ ・モノアラガイ ・アメリカザリガニ ・ヒル
このうち、ホトケドジョウは絶滅危惧種、ヨシノボリはカジカの一種で上流に行かないと生息していない、今回スジエビが多かったが通常はヌカエビが多い、などの説明を受けました。
この後、川の生態系に良くないアメリカザリガニを除いて、川に戻しました(ザリガニは、飼いたい人が自宅へ持ち帰りました)。
総括として、
①今回は生き物の種類が多かった
②随分きれいになってきているが川底がまだヌルヌルしているのでもう少しきれいになるよう期待する
③川の水のきれいさによって住んでいるものが変わってくるので、今後も調査を続けて観察するといいのでは、
と締めくくられました。参加者から西南部環境市民会議の方々にお礼を言って解散しました。
《オマケ》公園にクヌギの枝が沢山落ちていました。
ハイイロチョッキリが実に卵を産み付け、枝を噛み
切って地面に落としたものだそうです。地面に落ちた
クヌギの実が腐った頃、孵化した幼虫がそれを餌に
するそうです。