新型コロナウイルス感染拡大防止による一斉休校について、請願しました。(3月5日)

「新型コロナウイルス感染拡大防止による一斉休校についての請願」を教育長と市長あてに3月5日に提出しました。その内容と結果の報告をいたします。

新型コロナウイルス感染拡大防止による一斉休校についての請願

新型コロナウイルス感染拡大防止による一斉休校が3月2日より実施されました。新聞などマスコミ情報を見ると自治体の裁量で登校受け入れなど「さまざまな工夫」が見られます。新型コロナウイルス感染拡大防止のためとはいえ、一斉休校は唐突であり保護者や関係者に負担と混乱をもたらしています。ひとり親家庭や共働き家庭など多様な家族があるなかで八王子市として、予想される課題解決のためにどのような議論をしたか、今後どうしていくか説明いただきたいと思います。 八王子・生活者ネットワークは市民の方々から寄せられた意見をもとに以下のように請願いたします。

請願項目

1.新型コロナ対策として準備期間のないまま保護者・子どもたちへの大きな不安と負担を強いて学校の休校決定をした理由と決定のプロセスを公開して下さい。

2.この事態の中で、とりわけ学童保育所に大きな負担が及んでいます。早急に職員の増員と学童保育所の実情に合わせた支援をしてください。

3.学校においては春休みまでの休校決定をそのままにせず、学校職員との十分な話し合いのもと期間短縮など、方針の再検討をしてください。

●教育長あての請願は、3月14日の教育委員会定例会で審議されました。
請願趣旨説明は、生活者ネットワーク事務局長 川合が行ないました。以下をご覧ください。

 新型コロナウイルス感染拡大防止による一斉休校が3月2日より実施されましたが、新聞などマスコミ情報を見ると自治体の裁量で登校受け入れなど「さまざまな工夫」が見られます。

八王子市でも、9日から教室を開放し、昼食提供など対応がなされました。

しかし新型コロナウイルス感染拡大防止のためとはいえ、一斉休校は唐突であり保護者や関係者に大変負担と混乱をもたらしています。

私たち八王子・生活者ネットワークにもさまざま不安の声が寄せられたため、このように請願することを決めました。

私たちの元に届いている声として、

  • 非正規の保育士として働く2児のお母さんは、シフト代理が見つからず仕事を休めない、休んだら休んだで給料が保障されるかわからない。
  • 子どもの幼稚園は休園で、預かり保育にはお金がかかる、それで休めずに仕事行った人には保障はなし。
  • 3人のお子さんを持つ方は、職場に子どもを連れて行っている。

などと伺っています。

ひとり親家庭や共働き家庭など多様な家族があるなかで八王子市として、予想される課題解決のためにどのような議論をしたのか、今後どうしていくのでしょうか。

安倍首相は全国自治体に休校要請を行いましたが、八王子市教育委員会が単に国の要請のみを理由に休校を判断したのであれば問題です。

東京都の教育委員会定例会では合議を開かず教育長が決定したことに教育委員会の委員が苦言を呈しています。八王子市においてはどのような状況だったのでしょうか?子どもたちの学習の環境確保、学童保育などの受入れ体制、現場職員の意見、保護者の意見など、どのように把握してどのように決定したのかをお聞きします。

休校の決定は各自治体の教育委員会の権限です。方針決定までに様々な意見を聞く時間をとり、体制を整えるために、休校にするにしても開始日をもう少し遅らせることもできたのではないかと思います。そこのところの教育委員会としての考えもお聞きします。これが、請願項目の1つ目です。

そして、2つ目は、学童保育のことに触れていますが、市教育委員会の管轄ではなくとも、教育委員会の休校決定が学童保育に連動していくことを鑑みて請願をしました。

3つ目ですが、こちらについては、この請願を3/5に提出した後、感染状況等により対応いただいていると認識していますが、今後も継続して再検討をお願いいたします。

最後に、わたくしたちがお願いしたいのは、国から要請があった時には、現場の状況を、声を把握し、多少の時間を要しても、自治体として検討し決定していただきたいということです。

今回それぞれの現場で様々な工夫や努力をしたことと思います。学校現場で対応に苦慮した事、子ども、保護者、学校職員の声、子どもの置かれている状況に関連ある部署との連携など現場の声をきちんと把握して資料とし、今後の方針決定に是非いかしていただきたいと思います。

今回、医療、介護、保育など、人をケアする職場で働く人たちの負担感を強く感じました。ケアする人が疲弊することのないような配慮、施策を望みます。

傍聴記:
請願項目1に関しては、「2/27夕方、臨時教育委員会を開催し、教育委員会として休校と決定」と説明。
請願項目2に関しては、「3/9~3/19 学校、学童、放課後子ども教室が連携し、どうしても家庭で保育ができない子どもへの対応として、居場所を確保。また1食200円 9日間の昼食対応をすでにしている」旨の説明。

請願の審議結果は「不採択」のひとこと。
なぜ不採択なのか?腑に落ちない審議結果ではありましたが、国からの要請の通りに決定をしてしまっていないか、現場の声を聞いて、必要な検討がなされたのか、教育委員会という独立した組織の意思決定の重要性を問う機会となりました。

●市長あての請願は、3月23日文書によって回答されました。

学童保育所の職員増員と支援について
学校臨時休業中の学童保育所の運営についてですが、就労等により家庭で保育ができない児童を対象に、2020年3月2日から7日までの期間、8:30より開所しています。
通常より長い勤務時間となるため、子ども家庭部内での応援体制を検討し、各運営法人に人員体制が整わない日の応援職員の希望調査を実施しましたが要請はありませんでした。
また、3月9日から19日までは、市内小学校が確保する居場所の利用が開始されるため、学童保育所については正午からの開所となり職員の負担軽減につながると考えます。
今後も各運営法人の実情の把握に努め、対応してまいります。