八王子バイオマスエコセンター環境対策評価検討委員会の結論                               「試運転はできないと判断する」

  悪臭で稼動をストップした、生ごみ堆肥化施設[(株)イズミ環境]の環境対策計画を検討する委員会の4回目が開かれました。同会は八王子市が5名の専門家に委託し、昨年9月にスタート。再稼動を望む事業者に対して、繰り返し改善策を提案してきましたが、「今日が最終回だが改善計画は万全ではなく、住民の理解が得られるものではない。試運転はできないと判断する」と結論をだしました。

  さらに「ここではない場所で小規模の実証実験をしてデータを取り、適正操作で臭気の基準が達成できることを証明してはじめて住民の理解が得られる。実験には住民、市が必ず立会う」という要件も加えています。

   「臭いは絶対出ません」と説明していたのに、住民は長期間にわたって悪臭に苦しめられました。委員会をすべて傍聴して、委員会と事業者の話がかみ合っていないことを目の当たりにし、そもそも経験のないこの会社に事業担当能力があるのか、自慢のオズマニック方式に不備はないのか、この場所にこの施設が造られたことに問題はなかったのかなど、疑問に思うことだらけです。

  生ごみは、ゆっくり時間をかけて微生物が分解して良質の堆肥になります。資源化を進めることに異論はないのですが、住宅街の近くで大規模に行なう施設がうまくいっている例がないので、小さく実証しながら進めるのが良いと考えます。大規模化の技術は、まだまだ未熟であることを思い知りました。

  この事業は、農水省、東京都、八王子市が関係しています。この事業の許認可に責任のある八王子市は、はじめて住民説明会を開き見解を示すことを決めました。

(由木地区 南雲玲子)