沖縄

今、この日本で100年は使用可能だと言われるアメリカ軍基地が作られようとしています。普天間飛行場の代替施設としてということですが、普天間の機能以上を持った新基地建設だと思います。アメリカ軍施設の占める総面積は18,609ヘクタールで沖縄県の総面積の8%です、と言ってもピンときません。東京都に置き換えてみると、23区の内の中野・渋谷・目黒・品川・港・中央・千代田・新宿・豊島・文京・台東・荒川・墨田の13区の総面積がほぼ18,701ヘクタールです。

 例えば、仮に沖縄の基地がこの13区の位置にあったと考えると、八王子から京王線で新宿へ向かうと新宿区には入れません。中央線で東京駅へ行こうと思っても中野区の手前で止まらなければならないということです。その中では軍用機、オスプレイなどがいろいろ飛んで、ひっきりなしに轟音がしている訳です。そう考えるとぐっと身近に感じられ、だれでも基地はいらない、新しく作らなくても良いと思うでしょう。時間があるとき、神奈川県だとどの市町村の面積をたすと18,609ヘクタールになるか?埼玉県ならどうだろうとたし算をしてみようかと思います。基地問題は沖縄だけのことではなく、まさしく一人称で考えなければならない課題だと自覚することから始まるのではないかと思います。

 

今年2月には、辺野古新基地建設の座り込みに行ってきました。

ちょうど名護市長選で、現職稲嶺市長が敗れた後でした。座り込みテントの中で何人もの人たちが、稲嶺ロスになった・・・・一晩中泣いていた・・・・寝込んでしまったなどと口々に言っていました。

ちょうどそこへ当の稲嶺さんがあいさつに来られて「何の肩書もない稲嶺です。これからも新基地建設反対の活動は、一人の人間稲嶺として続けていきます。」と言われました。

稲嶺ロスの人たちは、拍手、拍手で元気を取り戻したようでした。もちろん私も気持ちが上がってきました。

 

辺野古の工事現場は、キャンプシュワブの前の道路の向かい側(海側)に工事車両の出入り口ゲートがあり、砕石の搬入のない時は閉められています。その前に水色の社名入り制服を着た体格の良い男の人たちが立っています。何人くらいいるのか・・・、1、2、3、4、あっそうか!!有名な警備会社の警備員20名ほどでした。確か、高江のヘリパット工事の時もこの社名入りの制服の警備員の姿がニュースの画面の片隅に映っていたのを思い出しました。

 砕石を積んだトラックが近づいてくると、警備員はゲートを開け、トラックの出入りの誘導をします。その前に座り込んでいる私たちを警察は排除にかかります。三人一組で一人は右手、肩、もう一人は左手、肩、三人目は両足を抱え込んで柵の中に連れ込んでいきます。この日は朝98台、私のいた昼は105台の砕石積載トラックが入っていきました。だいたい一日3回300台以上を搬入しているそうです。日によって天候によって、いろいろな思惑によっても搬入に変更があるそうです。

私の目の前では白杖を持った高齢の男性が運ばれていくところでした。白杖が路上に転がっていました。こういう日々が、こういう事が繰り返し続いているのかと思うとくやしくて、怒りがこみあげてきました。

 

8月8日以降沖縄県民のみならず、日本中のたくさんの人たちが翁長ロスになっているのではないかと思います。私も、これからどうしようかと落ち込んでしまいました。

翁長ロスを埋めるには、足を止めることなく、この日本に新しく基地を作らせてはいけないと言い続けることだろうと思っています。

地方自治、市民自治ということはそこに暮らし生きている人達の意志に寄る自己決定であると思うが、やはり沖縄の基地問題は一地方だけのことではないと考えています。今度の沖縄知事選はどうしても無関心ではいられません

八王子・生活者ネットワーク 会員 山崎 美千子