原子力発電所はCO2を出さないってホント?

運動グループ八王子地域協議会 田中優さん講演会

講師の田中優さん
講師の田中優さん
9月14日、未来バンク事業組合理事長、日本国際ボランティアセンター理事、足元から地球温暖化を考える市民ネット理事等、様々な肩書きを持ち、環境問題、平和・人権の問題などに関して鋭い実践と提言を行っている田中優さんを講師に、日頃感じている環境などに関する素朴な疑問に答えていただく形で講演会を行いました。

Q:原子力発電所はCO2を出さないっていうけどホント?

A:運転時には出さないが、ウランの採掘や濃縮の過程で発生する。その平均値と風力・水力・太陽光(CIGSタイプ)発電のCO2排出量を比較すると原子力の方が多い。しかし、CO2は出さなくても放射能は出る。原子力を使うことがもともとずっと問題!

Q:夏場の数日間の暑さの厳しい時にエアコンつけないで我慢すれば、原子力発電所がいらないってホント?

A:ホントです。しかし我慢するのは家庭でなく消費量の多い事業者です。

電気は溜められないので、一番消費量の多いピーク時にあわせて発電所は作られます。原発の割合はピーク時の発電量の21〜22%程度でしかなく、ピークの出る時というのは1年365日×24時間=8,760時間中の10時間、0.1%だけ。夏場の平日、午後2時から3時です。

そして家庭がその時間帯にエアコンを使わないようにしてもそれほど効果は出ません。家庭の平日の日中の消費は極めて少なくピークの9%程度。企業ががんばらないとピークは減らせません。

その他にも様々な質問に対してデータを示して答えていただきました。

みなさん、地球温暖化と聞いたらでんこちゃんを思い出してください。
・・・温暖化の原因はライフスタイルの問題と言われますが、家庭が排出しているCO2は車を多めに入れても20%で、全体の1/5しか出していないそうです。全体の8割は企業が出しており、特定の企業に集中しています。それはセメント・石油・鉄鋼・電力。この4業種だけで日本の二酸化炭素の半分を出していて、一番大きいのは発電所の30%です。「電気を大切に。」実はこれは私たちでなくでんこちゃんたちの問題だったのです。