八王子には基幹の子ども家庭支援センターと地域の支援センターが5か所あり、相談機能は整備されつつありますが、一時保護の機能は不十分です。また、完全な自立までまだ支援が必要な18歳、19歳の子どもは児童福祉法の対象外になってしまうことなどを考えると、カリヨン子どもセンターのような一時保護の機能を備えた民間の支援センターの役割はとても大きいと感じました。
現在、東京都のしくみの中で一時保護機能は市部では立川・西部・八王子の3か所で、八王子の子どもが八王子の児童相談所に行けるわけではなく、一時保護と同時に子どもの生活圏が壊わされてしまう。八王子の子どもは八王子でみていけば、保護された子どもの負担は少なくて済む。誰一人、施設で暮らしたいと思う子どもはいない。八王子の子どもは八王子で、地域の中で育っていけるようにしたい、という前田さんの熱いメッセージが印象的でした。
前田さんの試算によれば、1軒家と人件費を含め、約1千万〜1千500万円が用意されれば、シェルターと一時保護機能を確保できるとのこと。次世代育成支援対策推進法による行動計画(八王子市子ども育成計画)の後期計画にこうしたしくみを盛り込んでいくことも提案していきたいと思います。
ちなみに、国の第2次補正予算を受け、市議会の3月議会の補正予算案には、「定額給付金の支給」として86億円が計上され、そのうち約3億円が事務費に当てられます。3億円あったら子どもの施策でどれだけのことができるだろうかと考えずにいられません。