止めよう!八ッ場

他県のダムに依存するより、足元の地下水を水源に

首都圏の「水がめ」として必要とされる八ッ場ダムですが、首都圏の都市用水の需要はここ10年近く横ばいが続いています。これからは人口漸減とともに水需要も減っていきます。

利根川の治水計画は非現実的な過大な洪水流量の設定によってつくられています。河川整備をきちんと進めることによって、大洪水への対応も可能です。さらに、強酸性の水質であることや脆弱な地質で地滑りの危険性が高いといった点からもこのダム計画には多くの問題があります。

また、多摩地域では、良質な地下水を水源として利用してきました。現在でも、多摩地域全体で水道水の約3割が地下水です。住民にとって貴重な財産である地下水を涵養しながら飲み続けていくことが大切です。ところが、八ッ場ダムが完成すると、この地下水を河川水に切り替える計画であると言われています。

いったん始めた公共事業でも、見直しや中止、検証は必要です。国に翻弄され続けた地元の方々の生活再建に万全を期すよう政府に求め、長期にわたる公共事業のあり方について、都も検討すべき時期に来ていると考えます。

都議会9月議会の最終日の討論に立った都議会生活者ネットワーク・みらいの星ひろ子議員は、「私の地元の昭島市には誇れる地下水水道がある。他県のダムに依存するよりも、多摩地域にある豊富な飲料可能な地下水を放棄せず、多摩川の水質浄化向上策や地下水を正規の水道水源として、しっかり保全していくことをこれまで以上に強く要望する」と結びました。