2005年の都議会選挙直前のアンケート調査でも、70%の候補者が領収書添付は必要と回答して当選したにもかかわらず、その後の議会運営委員会では、公開に慎重な自民・公明・民主党と、自主公開した共産党の間で、膠着状態が続いていました。
生活者ネットは、領収書添付は当然と主張してきましたが、この問題は全会派が合意して取り組まない限り、実現できません。そこで「都議会のあり方検討会」を設置し検討することを提案してきました。この2年間、自民・公明・民主の3会派で非公開の協議の場が持たれていたものの、進展が見られなかったので、9月定例会の議会運営委員会で3会派の協議状況を質しました。これがきっかけとなり、3会派は領収書公開に踏み切ることを合意し、共産党とネットを加えた12月7日の「あり方検討会」(自民3、民主2、公明2、共産1、ネット1の9名で構成)設置となりました。
生活者ネットは、ようやくスタートする検討会設置を評価するとともに、政務調査費の使途基準はもとより、海外視察のあり方等も検討できるよう要望しました。
会派間の調整は前途多難ですが、「政治とカネ」の透明性確保は、時代の流れであり、1日も早い公開に向けて取り組んでまいります。
都議会生活者ネットワーク
幹事長・大西由紀子
<12/8東京新聞より>
都議会は七日、政務調査費(政調費)の領収書公開を図るため、主要五会派による「都議会のあり方検討委員会」の設置を決めた。公開する領収書はいくらからか、政調費を何に使ってよいのか、よくないのか−など、制度の各論では会派間で思惑の違いはある。しかし透明化実現は「待ったなし」で一致。ひとまずは足並みをそろえ、スタートを切った。 (浅田晃弘、榎本哲也)
「繰り返し要望していたことが、やっと実現した」。生活者ネットワークの大西由紀子幹事長は検討委設置を歓迎した。
政調費問題は自民、民主、公明の三会派が“密室”で協議。一方、共産は領収書公開を義務づける改正条例案を、単独で提出。最近の議会では、同案の採決を求める共産と、「協議中」を理由に拒否する三会派との攻防が恒例となっていた。公式の場で議論が深まる機会はなかった。
「議会全体の議論は大前進。三会派の案はあるが、いい部分は大切にし『白紙』から議論を望む」と大西氏は話した。
焦点となりそうなのが領収書公開の範囲だ。自民は「一万円以上」を主張、他党は「一円からすべて」を求める。自民党の吉野利明幹事長は「事務量と公開のバランスをどうするか」と、制限なしの公開に難色を示す。「『百円の消しゴム代から』と言われてもたまらない」と、こぼした。
同じ与党ながら、公明は「一円から」の考え。「透明化は時代の流れ。これからよく話し合う。結論は早いほうがいい」と藤井一政調会長。使途基準の詳細な明文化も求めるという。
民主も、あいまいな表現になっている現行の使途基準は問題との立場。田中良幹事長は「正しいと思った使途が『違法』と批判される、そんなことにならないため、規定が膨大になっても、基準を明確にする必要がある」と語った。
共産は唯一「現条例の使途基準は妥当」という考え。吉田信夫幹事長は「見直し論議は否定しない。今、支給されている政調費も、領収書を公開すべきだ」とも訴える。