基本的人権が尊重される社会を

年越し派遣村の再来はなかったが

昨年末、東京都は年末年始に住む場所がない人をオリンピック記念青少年総合センターに受け入れた。入所者は当初予定の500人を大幅に越え、736人にも達した。しかし、生活相談の窓口では生活保護や住宅手当の申請はできず、入所者は1月4日の閉所後以降の生活に不安を抱えている。住所が定まらなければ職につくのも困難だ。「4日以降の生活の不安で頭が一杯」という入所者のコメントもあったが、本当に心細いだろうと思う。

昨年年越し派遣村の村長として活動した湯浅誠さんは、雇用保険と生活保護の「第2のセイフティーネット」の必要性を訴え、各自治体で雇用と生活支援の相談に乗るワンストップサービスの実施を実現させた。しかし、まだまだ生活困窮者に対する予算も人手も足りない。国は自治体に対して必要な支援を行うべきです。

一方、都議会議員の海外視察が2年ぶりに再開する。ビジネスクラスで一人100万〜200万の費用をかけて民主党、自民党の議員計11人が北欧やアジアに行く。過去3年間に海外渡航歴のない9議員には53,900円の「支度金」(今年度で廃止)まで支払われる。これらの議員にはワーキングプアーの若者や明日の住まいにも困っている人の姿がどう映っているのだろうかと疑問に思わざるを得ない。

誰もが当たり前の権利として持っているはずの基本的人権が保障される社会にするために、今年も生活者ネットワークは市民の力で議会を変え、政治を変える活動を地道に続けていきます。暮らしの中のひとこと提案もどんどんお寄せ下さい。